2016年9月12日

情勢の推移に伴う国際金融市場要綱(2016・9・12)

先週から債券市場がキナ臭い動きになってきています。

(以下ヘッジオンラインより)

金曜日の海外市場は大幅に下落して引けています。米早期利上げ懸念が原因です。

9日のニューヨーク外国為替市場ではドル相場が急騰し対円では一時1ドル=前日の102円50銭から103円台まで上昇しました。背景には2日連続でのドル金利の上昇があります。従来ハト派で知られるボストン連銀のローゼングレン総裁の利上げに前向きと受け取れる発言が伝わり、米債売りを誘ったことが言われています。

(9/9終値、前日比)
■ NYダウ工業株30種 17976 -414(-2.25%)
■ 米国債2年金利   0.78% +0.01%
■ 米国債10年金利   1.67%   +0.07%
■ 米国債30年金利   2.39% +0.09%
■ 米ドル/円           102.69 +0.20(+0.20%)
■ ユーロ/米ドル     1.1233  +0.0027(+0.24%)
■ 原油価格(WTI)     45.88   -1.74(-3.65%)


金融緩和については従来申し上げているように、モルヒネの連打で金融緩和に不感症になってしまっているのが先進国経済です。

いつでも借り入れができるはず、待てば待つほど金利が低下するはず、という、借り入れ先延ばしと、融資からのリターンが貸付リスクに比べて相対的に見合わなくなってきているとして、逆に中小企業へは金利を引き下げない、もしくは貸さなくなるという「流動性のわな」の双方という超金融緩和の副作用が顕在化してきています。

そのため、国家債務の中央銀行への付け替えの動きに終局が来ていることを市場が認識した結果、金利上昇が始まったということだ私は認識しています。

先週では、日銀黒田総裁の会見でこれ以上の金融緩和に限界があることが露呈し、また欧州中央銀行理事会では、買い入れが可能な債券自体が枯渇しこれ以上の資金放出(金融緩和)ができなくなっているという観測を裏付けるようにQE延長への期待が封殺されました。そして、6年半ぶりといわれる程の景況感悪化(非製造業)が発表されているにも関わらず、米FRB理事から月内利上げ発言が相次いでいます。世界中から金融緩和終焉の序曲が奏でられているのを感じています。

金融緩和で金融機関が買わざるをえなかった超長期債券の金利が急激に上昇を始めていることも市場の転換点を示唆しています。


経済収縮や借金のツケを労働者に押し付けると、アメリカの政治家は選挙を通じてしっぺ返しを受けます。だからこそ、アメリカの政治家はそのツケを、外国へ(80年代)、銀行へ(90年代)、国家へ(00年代)、そして中央銀行(10年代)へとトバシてきたわけですが、とうとうニッチもサッチもいかなくなってきた状況が垣間見えているのが現状だと思料します。

金利が上昇し、債券を保有する金融セクターに大きな損失が生まれていく、いわゆる「VARショック」(https://hedge.co.jp/article/?a=10036) の序曲の可能性があります。金融緩和で金融機関が買わざるをえなかった超長期債券の金利が急激に上昇を始めていることも市場の転換点を示唆しており要注目です。


 

2016/9/12

〜ブラジルから何が見えるのか〜その3

https://hedge.co.jp/

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