2016年7月13日

ソ連にデジャヴを感じる日本の姿 その2

前回の「その1」では、ソ連の父として語られるレーニンの言葉を紹介していました。すなわち、「共産主義とは電化である」です。これは極解すれば、電力供給→機械やロボットが人間に変わって仕事をしてくれて働かなくてもよくなる→そもそも働くことがなくなるので失業という概念すらなくなる→貧富の格差もないみんな平等の良い社会になっていく、とレーニンは考えたのです。ソ連崩壊という歴史を知っている私達にとってさえも甘い匂いを感じてしまいます。

 

人工知能の先の世界とは

「共産主義とは電化である」。。。実際には、電化や機械化の先では、生産性があがって時間が増えたものの、機械ができない分野で仕事をする時間が長くなって労働時間は結局変わらず、結果としては、失業の可能性を常に孕みながら、より激しくなったビジネスの競争の中で働き続けるという社会生活が示現してきました。機械に仕事を奪われてサラリーが激減する分野も多く、頭を使う分野を巡って人と人が、体を使う分野を巡って人と機械が、といった形で貧富の格差が拡大しているのが日本と世界の現状となっています。

 

分業体制が国際的にある程度普及して成熟した現在、ある少数のモデルを大量生産して大量販売するというビジネスが更に利益をうみ辛くなってきています。加えて、在庫をできるだけ抱えないという動きも企業の間で定着し、企業の設備投資や機械受注統計も低迷がつづき、失われた20年と言われるほどの長期低成長社会からの脱皮にもがいているのが日本の現状です。このままでは、次のビジネスモデルが見つかるまでに、ソ連のように現状モデルが大きく瓦解する状況があってもおかしくありません。今のままでは、少ないパイを安値競争で食い合う社会しか見えてこないからです。そのきっかけは人工知能とビッグデータの活用で創造的破壊と言われるショックになりそうです。

 

勿論、こうした人工知能化の進展で生産性が上がっていくのは間違いないありません。先進国の国内需要や機械化で最低生活水準の向上が鮮明な後進国へ輸出していくというやり方もありましょう。しかし、それもやがては従来型の職業についている多くの人々の失業や後進国の購買力を奪っていく中では飽和していきます。加えて、世界規模で激しくなる環境破壊への配慮も増えてきており、安価で生産性をあげてきた大量生産・大量消費という従来型のビジネスモデルを難しくしてきている状況です。

 

従って、次世代のビジネスモデルを考えていくことが最重要です。そういった大転換時代に私たちは生きているのです。もっといえば、その際には、時流を取り入れていくことに敏感な新興国に多くのヒントが隠れています。次のビジネスモデルについての詳細は、SBI社のネットサロンである「ヘッジオンライン」で紹介していますが、時流が大きく変わるその潮の変わり目に合っては、大局観を培う歴史観や次の時代のニーズに合う萌芽を感じるための世界での異業種の出会いが必要となってきています。

 

Tadashi Tsukaguchi Official MAIL MAGAZINE